ミサやレクイエムの合唱がコスパ良すぎる件
文化・芸術でコスパとか言ったら怒られそうな気もしつつ、それにしてもミサ・レクイエムのコスパは間違いなくすごい。
歌詞がほとんど共通
というのは、ミサやレクイエムには典礼文という、どの曲にも共通の歌詞が含まれているのである。
しかも有名な曲では典礼文以外の歌詞が含まれていることの方が珍しいぐらい。
なので1回どこかでミサ・レクイエムの合唱に参加してがんばっておけば、他の作曲家のミサ・レクイエムでも歌詞はほとんど共通なので、以降は少なくとも歌詞に苦労させられることはほとんど無い。
ジョスカン・デ・プレ(1450/1455?年生~1521年没)からペンデレツキ(1933年生 ~ 2020年没)まで、曲は違っても歌詞は共通!
特定の団やサークルに所属しなくても歌える機会がある
特にモーツァルト・ヴェルディ・フォーレあたりのレクイエム、バッハのロ短調ミサやベートーベンの荘厳ミサ(ミサ・ソレムニス)あたりは有名で演奏される機会も多く、ホールや公民館でチラシを探したりググったりすれば、しばしば合唱の出演者が募集されている。
特定の合唱団に正式に参加すると運営の仕事が降ってくることがあるけど、単発のゲスト参加は参加費払って練習と本番に行くだけで済むので、本当に気楽で最高なのである(クズ並感)
実は発音も大して難しくはない
「でもラテン語でしょ?」と思ったら高いハードルに思えるけれど、発音自体はほぼほぼローマ字読みで済むので、実はそんなに高いハードルでなかったりする。
ドイツ語っぽく読むのかイタリア語っぽく読むのかで微妙に変わったりとかはあるけど、指揮者やパートリーダーがちゃんと指示してくれる。はず。
強者と一緒に歌えることが多い
そうは言ってもやはりハードルが高いと感じる人は多いと思うが、逆に言えば集まってくるのは腕(喉?)に覚えのある人が自然と中心になるので、割と大船に乗った気持ちで大丈夫だったりする。
中には「この曲に感動したので歌いたいと思って来ました!楽譜は読めません!」という方向の強者もまれにいるぐらい。そしてそういう人がどんどん歌えるようになっていくのを目の当たりにできることもあり、これもまたけっこう楽しい。
一人での練習もしやすい
練習も自力でやるのは大変だけれど、百年単位で演奏され続けてて著作権も切れているだけあり、CDやYouTubeのみならず、英語で「(曲名) midi」とかでググればどこかの合唱団の練習用MIDIや、古のDTM好きの人が作ったMIDIファイルがヒットすることも多い。
それをDominoなどフリーのシーケンサに放り込めば、自分のパートだけ音を大きく、他のパートは音を小さくなど自由自在なので、楽器が弾けなくても自力練習が可能。この点に関しては日本の合唱曲の方がよっぽど大変なように思う。
射程範囲が広い
オケの伴奏が付いてることが多いので、オケの人と共通の話題になったりもする。
流行り廃りもクラシックだけあってあまり無いので、年の離れた合唱勢とも共通の話題になりやすい。
特に大学の合唱サークルで定期的にやってたりすると、何十歳も離れた現役生とOBOGが共通の曲や歌詞で盛り上がれたりします*1。
というわけで
ミサやレクイエムの合唱はめちゃくちゃコスパいいです。合唱好きの人は、若い内に一度経験しておくことをおすすめします。なぜなら一度経験しておけば以降の人生で「やりたい」と思ったときにやりやすくなり、どうせなら若い内の方がやりやすい期間が長くなるから。
そしてこれからの人生で一番若いのはまさに今このときです!!!!
余談
こんなことを思ったのは、最近ブラームスのドイツ・レクイエムに参加したため。
演奏会の詳細は事情により詳しく書くことはできないのですが、練習や交流会に参加しながら上記のようなことをしみじみ思ったのでした。
まあドイツ・レクイエムは典礼文でもラテン語でもないので、だいぶ骨が折れましたが…(割とギリギリまで「レクイエムか!そんなら行けるな!」と軽い気持ちで即決したのを後悔してた)(でもやっぱり名曲だし記念演奏会だし、終わってみれば最高に幸せでした)
*1:現役生が無理して合わせてくれてる可能性についてもOBOGは常に考えておくべきと思いますが